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花猫がゆく

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「韓国・反日小説の書き方」野平俊水(亜紀書房)

◆王様の耳はロバの耳

 著者は韓国在住の日本語教師らしい。この本は韓国でも出版されたと聞くが、え?大丈夫なの?と心配してしまった。それくらい、はっきり言って韓国人をこきおろしているとしか思えない部分がある。

 実際、便所の落書きのようなyahoo掲示板にも、「この本を読んだらチョンのバカさ加減がよくわかる」なーんて書き込みもあったし。そういう韓国フォビアの人が読んでも楽しめるというのもわかるのだ。

 本の前半では、韓国で出版された「反日小説」の分析がされている。反日小説というのは、大ベストセラーになったという「ムクゲの花が咲きました」のような、日本が悪だくみをするが最後には正義の味方の韓国人によってこらしめられる、という、韓国人にとって胸のすくようなお話のこと。自衛隊がクーデターを起こして韓国に攻めてくるとか、かなり荒唐無稽だが、この分析が正直言って抱腹絶倒ものに可笑しい。いや、笑っちゃいけないとは思うのだが、韓国人と多少なりともつきあいのある人なら、ついつい押さえた笑いが洩れてしまうに違いないと思う。その指摘が鋭いだけに、おかしさもひとしおなのだ。

 これは言ってみれば「王様の耳はロバの耳」的な笑いだと思う。誰もがうすうす思ってはいるが、決して言ってはいけなかったこと。特に日本人にとっては言うのはタブーだった。だって日本人は過去に韓国人に悪いことをしたという負い目があるし、安易なことを言ったら韓国人に怒られちゃうし。

 ホントにバカバカしいと思うが、日本人が韓国人を批判するとなると、いきなり「チョンは!」になってしまう(政治家とか、そうだよね)。それ以外の人はまるで腫れ物にさわるように、韓国を誉めることしかしない。これはまるで一方的な関係で、健全で対等な関係とはいえない。

 というようなことを、この本の後半では書いてあるのである。つまりこの本は決してyahoo掲示板に書き込みをするような人が喜ぶような本ではなく、日韓(韓日?)の健全で対等な関係を目指したものなのだ。「おかしなことを言う奴がいるもんだ」と見ないふりをするのは、かえって相手をバカにしてるようなもので、言うべきことははっきり言って相互理解を目指すことこそが真の友人関係だ、というわけ。

 私はいまだかつてこういうスタンスの本を読んだことがなかったので、本当に嬉しくなった。これを韓国在住の日本人が書いた(在日ではなくて)というのも、嬉しくも複雑な気持ちだ。本来なら在日韓国人こそがこういう見方をするべきなのだが、実際の在日は祖国と日本の板挟みにあったり、祖国に変なロマンを抱いたりして、どうもいまいち身軽じゃないみたいなのだ、残念ながら。

 それにしても、この本がほんとに韓国でも出版されていたとしたら、その反応が知りたいなあ。イルボンサラムがこんなこと言うのをうんうんと聞いてくれるくらい、韓国人のキャパは広いだろうか。

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