花猫がゆく

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「ナチュラル・キャットケア」ブルース・フォーグル(ペットライフ社)

◆完成された身体

 後半は、ハーブ療法、ホメオパシー、鍼治療にカイロプラクティック、マッサージといったニューエイジっぽいことが書いてあるんだけど(言っておくけど、みんな猫にするんだよ)前半は一般的な猫の生態について述べていて、これが美文でいい。

 「人間の近くに住むことを決めたのはリビアヤマネコです。チグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域(現在のイラク)とエジプトに人間が定住すると、穀物倉にネズミが群がりました。この2つの地域に生息していたのが、名称とは違って川の周辺に暮らすジャングルキャットと、狩りの能力に長けたリビアヤマネコという2種類の小型の野生猫です」

 イエネコの祖先はリビアヤマネコとヨーロッパヤマネコだと何かで読んだことがあるけど、この本にはヨーロッパヤマネコは別物だと書いてある。外見的にはイエネコによく似ているが性格は全然違い、この猫を飼い慣らそうという試みはどれも失敗に終わっているとのこと。

 「ほかの家畜化された種、特に祖先とは大きく変わってしまった犬と違って、猫はイエネコとして進化した後も、本来の姿を保ち続けています。身体の大きさが多少変わり、人間に飼われるようになった他の動物と同じように、脳の体積は野生のときに比べて3分の2ほどになってしまいましたが、現代の猫の外見は祖先のアフリカの野生猫とほとんど変わりません。
 猫は、自然界で進化した結果、身体的にすでに完成されているのです。単独で狩りをする動物でありながら人間と暮らすこの美しい猫には、これ以上改良できるところはありません」

 しかしこの完璧な捕食者、完璧な肉食獣の身体も、人為的な選択繁殖のせいで遺伝性疾患の発生率が増えてきているとのこと。顔の平たいペルシャには上部気道疾患が多いとか。ちなみに私は「猫は絶対に雑種が美しい!」と信じています。

 「子猫を人間の社会でリラックスできる猫に育てるには、放置しておいてはいけません。母猫に養育を任せっぱなしにしておくと、子猫は大きな動物に対する生まれながらの恐怖心をコントロールする術を学ぶことができません。子猫の生活に介入するのは自然に対する干渉だと考える意見もありますが、それは正しくありません。猫が成長して環境に順応するためには、人間の教育も必要なのです」

 「早い時期の学習を通して、子猫が安全や食べ物、温もりを求めてあなたを頼ってくるようになれば、その子猫は一生あなたを「母親」とみなすようになります。子猫は、本物の母猫に毛づくろいしてもらって安心するように、あなたに撫でられて喜ぶでしょう。(略)人間の「母親」としての役割は、私たちが猫と親密な関係を築くための欠かせない要素です。小さいときに人間と接触しなかったとか、あるいは母猫が警戒することを教えたために飼い主に頼ろうとしない猫は、人間との関係が制限されてしまいます。このような猫にとっては、人間は単なる役に立つ動物でしかないのです」

 「遊びはよい学習の場になります。同腹の兄弟との遊びから社会的な絆が生まれ、環境によってはその絆が生涯続くこともあります。遺伝とホルモンの指令によって雄猫の遊びは次第に激しさを増していきますが、やがて回数が減り、雌猫とは遊ばなくなります。この自然な結末を避けたければ、性的に成熟する前に去勢してしまうことです。去勢した雄と不妊手術をした雌の遊びはとてもよく似ています。去勢すると大人になった雄同士でも、雌たちと同じように夢中になって遊びます」

 「猫の爪を抜く手術では、一部あるいはすべての爪先の指骨が除去されます。この明らかに不自然な切断術はイギリスではほとんど行われませんが、アメリカではいまだに一般的です」

 アメリカでは犬をおとなしくさせるために薬を与えることも一般的だと聞いたことがある。ある人がアメリカでホームパーティに出かけたら、大型の飼い犬が椅子の下で眠っている。おとなしい犬だなあと思ったら、薬を飲まされていたそうだ。アメリカではごく普通のことらしくて、「彼(犬)は夢を見ているような感じだよ」としゃあしゃあと言うらしい。胸がつまるような話だ。アメリカ人って何でも自分の思い通りにしたい人たちなんだなあ。

(2007年4月追記)
 この間、「徹子の部屋」に岩合光昭が出ていて、やはり猫のことを「完璧な体をしていると思うんですよね」と言っていた。さすが動物のことをよく知っているなあと思った。

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