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花猫がゆく

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「韓国の風水師たち」「朝鮮の物語」野崎充彦

◆前世が韓国人

 「どうやら、私は前世において朝鮮生まれだったようである。しかも、相当に転生を繰り返したらしい。初めて韓国を訪れたときからうすうす感づいてはいたものの、それを確信したのは、風水調査のため一人で韓国の山野を跋渉していたときのことである。行く先々で激しいデジャ・ヴュに襲われた私は、自分が訪れているのではなく、帰郷していることを悟った。懐かしい風土で、懐かしい人々と再会するためにである。特に全羅道の珍島では最も強烈だったから、或いは前世の一時期、私は珍島犬だったかも知れない。
 そう悟ると、それまで腑に落ちなかった事柄も納得できるようになってきた。偶然訪れたに過ぎない韓国に、何故かくもハマルことになったのか、なぜ日本に何十年暮らしても馴染むことができないのか…。」(「朝鮮の物語」あとがきより)

 うーむ。一応朝鮮の女である私が(「ソウルの風景」を読んでからこの言い方に凝っている)韓国に行ってもお客さんのようだというのに。私は前世は韓国生まれじゃなかったのかも。野崎さんも来世には日本が懐かしい土地になってるのかも知れない。

 しかし日本人で韓国に「ハマる」人がたくさんいるのは私も知っている。以前通っていた韓国語教室にはそういう日本人がたくさんいた。年に何度も韓国を訪れ、もう普通の観光地には行き尽きてしまったので、向こうに行ってもやたらマイナーな土地に出かけたりする。韓国マニアである。

 それである時、彼らになぜそんなに韓国が好きなのかと尋ねてみた。朝鮮の女(しつこい)である私でさえそれほどの韓国好きではないのに、と思ったからだ。答えは「前世が韓国人だったから」ではなく、「面白いから」とのことだった。韓国を知ることで鏡のように日本が見えてくるのだそうだ。

 この10数年で信じられないくらい状況は変わったが、かつては日本人は韓国を黙殺していたといっていい。差別もはっきりとあったし、韓国といえばウルサイことをいろいろ言ってくる楽しくない国という印象だったと思う。だいたいアジアに興味を持つ日本人はあんまりいなかったし、外国といえば欧米、白人、おパリの世界だった(はずだ)。今でもオバチャンの中には白人といえばチヤホヤする人がいる(ホストファミリーなんかする人ね)。あ、若い女にもいるか。

 韓国はほとんど「存在しない国」「見えてない国」だったはずだ。意識していなかった。そういう状況の中で、ひょんなことから韓国を「知る」と、そこにものすごい驚きがあるらしいのだ。見えていなかっただけにその驚きは新鮮で、当然お隣の国だから日本との関わりも密接だし、知れば知るほど面白い、ということになるらしい。

 ある程度の知識階層の日本人なら(昔の大卒くらい?)韓国に対しては縮こまっていなければいけない、罪悪感を持たなければいけない、贖罪意識を持たなければいけない、という義務感からは離れられなかった。ところがそれらを横に置いて見てみると、本当の韓国、ひいては本当の日本が見えてくるというわけだろう。

 しかしそういう意識を持っているのはやはり中年以上の人たちで、もっと若い女性はたとえばこういうことを言っていた。「韓国って男尊女卑の国と言われているけど、実際に向こうに行ってみたら向こうの女の人ってすごく強い。男の人とガンガン言い争いするし、絶対に負けてない。ああすごいなあって思う」

 日本人が本当に韓国を発見したのは、実にここ最近のことなのかも知れない。

 本の内容と全然関係なくなちゃった。著者の野崎氏は野平俊水氏と同様、新世代の親韓派日本人だなあと思う。かつての日本人の贖罪意識とは無縁で、皮肉ったり笑い飛ばしたりしながら仲良くしよう!と言える強さがある。昔の人にはできなかったことだろう。と思ったら野崎氏は1955年生まれ、けっこう歳とってるのね。

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