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花猫がゆく

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「ザ・フェミニズム」上野千鶴子・小倉千加子

◆意地悪さ爆発

 この本を読んだ友達二人から異口同音に「上野千鶴子がめちゃめちゃ性格悪くて、小倉千加子が(必要以上に)まとも/いい人に思える」と聞いていた。読んだら、その通りだった。この本読んだら誰もが小倉千加子を応援したい気持ちになると思う。

 小倉千加子が上野サンの意地悪に負けてなくて、というか意地悪を楽しんでる余裕さえ見せてるところが好印象。「上野さん、嘘つきやわ!」「あの頃(80年代)いっぱい本出して儲けたくせに」「医者の娘の上野さんに言われたくないよね」
 狸の化かし合いみたいで、この人たち、仲悪いんやろか、と思ってしまう。

 中にこんな話があった。
 ある時上野千鶴子が名古屋市に呼ばれてやった講演に小倉千加子が客として見に行き、そこで上野氏が主催者の女性役人をボロカスにこきおろしてるのを見た。
 「この人(女性役人)、こんなみんなの前で恥かかされてかわいそうに。上野さんもこんなことよう言うわ、と。でもこういうことを言うから、なんか離れられないんだよね。/こんな非常識なことするから、あなたから離れられない」
 そういうことらしい。

 痛快だったのは、「フェミニズムの成果」として椎名林檎をべた褒めする上野を小倉が一蹴するところ。「自己治癒」たら「癒し」たらいった言葉を並べて椎名をべた褒めしている上野を遮って、「椎名林檎がフェミニズムと関係があるかどうかは知りません。上野さんが芸能音痴なのは、椎名林檎を知ってるというとこや。私やったら、浜崎あゆみを評価する。私は浜崎あゆみがなんで若い子の教祖なんか、よーくわかるわ。私は浜崎あゆみで本を一冊書けるくらい、ファン心理がわかる。(略)ハマアユも、ジェンダーの「ジ」の字も言わんけど、何かを伝えてるよ。ただ、そのメッセージはフェミニズムとは正反対のもんやわ。問題意識はものすごーくわかるけど、答えの出し方が絶望的なまでに正反対。椎名林檎に私は興味ありません。で、椎名林檎は、ジェンダーを語ってるって?フェミニズムの落とし子やって?」 ケッ、という感じ。

 ああスッとした。だいたい上野千鶴子は「ストリップ系」の女アーティストに共感するとこがあって、ずっと前にも伊藤ヒロミたら言う詩人を同じようにべた褒めして一緒に本まで出しててウザかった。椎名林檎って、実は保守的な感じがする。あれは決して男のセクシュアリティーをビビらせないもんな。

 3年くらい前だったか、近くの大学に上野千鶴子がパネラーで来てたのを見に行ったことがある。そしてそのルックスの変貌ぶりに驚いた。短めのボブに眼鏡に堅めのスーツ。まるで「教頭先生」みたいだった。そして若手のフェミニズム研究者が威勢良く意見を言ったら、けちょんけちょんに切って捨てた。そんな言い方せんでもええやん、というくらい、不必要なまでにキツかった。

 むかしむかし、私が高校生の頃、上野千鶴子の講演を聞きに行ったことがあるけど、その頃はフェミニンだった。紫のワンピースにストッキングを履いてパンプス。長めの髪にはちりちりっとパーマをかけてた。いでたちはその人の姿勢をある程度写すものだけど、まあそういうことなんだろう。

 この本のなかで上野千鶴子が「私も他人様からは『あの人はいないほうがましやった』と言われるかもしれへん」とあざとい関西弁で言ってるけど、冗談じゃなくてほんとにその通りかもしれないよ。学問の良心みたいなものがやっぱりあると思うけど、こんな良心のない人がフェミ界を牛耳ってるから、日本ではフェミニズムがだらしないんじゃないかな。すごく賢くてすごく仕事したように言われてるけど、結局フェミニズム全体のためには「いないほうがまし」な人だったのかもしれない。かといって、この人以外は、といえば、「異常に婚姻率の高い日本のフェミニスト」なわけだから、やっぱりだらしないのかもしれないけど。とりあえず、上野サンは結婚してないわけだし、そこは立派だよね。「結婚してるフェミニスト」は私もうさん臭いと思う。

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