花猫がゆくblog韓国覚え書き韓国エッセイ読書メモ過去の日記 |
「シナブロ」アン・ヨンヒ◆一応在日サイトだから あんまり気が向かないけど、一応ここは「在日」サイトってことになってるので、言い訳程度に韓国本を入れてみることにしました。 村上龍のメルマガに連載していた韓国エッセイをまとめたものらしい。しょっぱなが「韓国の援助交際」であることからもわかるように、今の韓国風俗にちょっとずつ触れている。ワールドカップ当て込み本だけど、古臭かったりイデオロギーかかってるのが多い韓国情報が多いことを考えると、まあいいかもね。特に深い洞察とかは全くなし。あとがきの半分を割いて、「自分って文章読むと男だと思われがちだけど、女なのよ、女!」って強調しまくってるのが、何というかさすが村上龍の友達というか。 中で面白く思ったトピックを3つほど。 ひとつめは、イ・パクサ。この人の歌を初めて聞いたときには転げ回って笑った。その後電気グルーブが取り上げたりして日本ではすっかり有名になったが、それも随分前の話だし、韓国ではポンチャックは若者に馬鹿にされてるというし、日本でイロモノ的に面白がられてただけだろうと思ってた。ところがこの本によると、イ・パクサは日本からの逆輸入の形でワカモノの間で大人気、らしいのだ。 「『ポンチャック・テクノ』と名づけられた彼のCDは、今や高速道路のサービスエリアではなく(花猫注・もともとポンチャックはトラックやバスの運転手に愛聴されていたものなので、CD店ではなく、サービスエリアで売れるものだった)、若者が集まる街のインディーズ音楽のコーナーで売られている。そして、テクノクラブでイ・パクサのコンサートがあると、若者が集まってきて踊りまくり(花猫注・おばちゃんでも踊りまくるのは同じと思う)、サインをねだるまでになった」 いや、本当にいいことだ。「ワールドカップソングは誰に歌ってもらいたいですか」というアンケートで86.6%がイ・パクサと答えたと著者は書いているが、もしそうだったら楽しかったのに〜。ちなみ日本では電気グルーブと一緒にやってるのとか、「ヤングマン」などの日本歌謡を歌ったのが一般には聞かれてるみたいだけど(ヤングマンはもともと日本の歌じゃないけどな)、断然私がお勧めするのはそれより前の、韓国歌謡をエレクトーンにのせて歌いまくってるやつ。めっちゃチープかつファンキーで腹よじれるほどおかしい。歌の合間の合いの手というかかけ声というか、「ハア!」みたいのが最高。 ふたつめは、ネット上でプライベートのエロビデオが流出したアイドル歌手の話。この歌手本人が「この苦しみは誰にもわからないでしょう!」と記者会見で泣き崩れていた映像は、日本のニュースでも流れていたよね。韓国通のM嬢によると、ビデオ流出したアイドルは2人いるらしく、韓国のネット環境は今えぐいほど発達しているので、これらのビデオは「若い人なら全員が持っていた」という状態だったらしい(男も女も)。持っていたといっても、コピーしてパソコン内に持っていたって話なんだけど。矢のように早く広がったらしいよ。 プライベートエロビデオ流出。日本ならかえって売名行為になりそうなことだけど、韓国では許されないことらしく、この人は芸能界から消えていった…はずだったけど、この本によると、最近復帰するというニュースが流れたらしい。まあ、いろいろと日本に近づいているわけだ、韓国も。 で、二人のうちのどちらかは知らないけど、私はそのうちの1本を見たことがある。それ見て「ああ、これは確かにいかんだろうなあ」と思ったのは、終始、女(そのアイドル)のほうが積極的だったことだ。最初から女の方からのしかかっていってたし。表向き性道徳の厳しい韓国では、こりゃ反道徳的だろうなと。そしてそのアイドルがベッドでタバコをパァ〜と吸ってるのも、韓国的には相当いかん気がした。いかにも「絵に描いたあばずれ」って感じで。 しかし私的に「へえ〜」と思ったのは、男の肌のきれいさだった。ツルツルで色白で、すね毛なんてぜんぜんないのだ!(画質悪いのでほんとはちょっとはあるんだろうけど)。もちろん男も全裸だったんだけど、妙に鑑賞に堪えたのがおかしかった。韓国男って顔は悪いけど(ごめん!)肌はきれいなあ、って思いました。韓国女性の肌が白くてキレイなのは有名だけど、男もそうなんですよ!皆さん。 こんなこと書いたらまたお怒りのメールがきそうだ…。誉めてるのに…。 最後は同性愛者のカミングアウトについて。「韓国の芸能界である男性タレントのカミングアウトが話題になった。その主人公ホン・ソクチョンは、なよなよした感じで、坊主刈りの頭と奇妙に大きなメガネがトレードマークのタレントだった。ドラマで当たった役も美少年好きの青年というものだった。しかし実生活までがそうだとは誰も予想しなかった」あれ? 日本にもそういうタレントいたよなあ。 彼はカミングアウトしたことで仕事を干され、それに対して人権団体や同性愛者団体が強く反発し、社会問題となった、という話。お隣の国なのに、こんなに違う話ってあるだろうか。日本ではホモキャラ(ほんとのゲイを含めて)は昔からトリックスターとして市民権を得てたけど、韓国では同性愛はタブー視されてきた。その代わり、日本では人権感覚も問題意識もゼロ。韓国での同性愛問題が、どっちかというと地理的に遠いアメリカなんかに近いのが面白い。 なんか芸能人関係の話ばっかり。だって経済の話なんかは他の本でも読めるしね。 |