花猫がゆく

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「趣味は読書。」斎藤美奈子

 江藤淳の「妻と私」をなんの断りもなくいきなり「タレント本」の項のトップに持ってきているのが痛快でたまらない。それに続くのが叶恭子、飯島愛、梅宮アンナだから、この並べ方にすでに悪意が。ほんとにマザコン男が嫌いなんだろうな。

 マザコン男といえば、「朗読者」という本を「包茎文学」と看破しているのもたまらん。もう、ざまあみろという感じ。「包茎文学」の真打ちはなんといっても村上春樹だと思うが、こっちについては自粛されているのか記述なし。ちょっと不満。

 矢沢永吉「アー・ユー・ハッピー?」の注にはこうある。
 「私の周囲の四〇歳前後の男性には、この本に涙したという読者が何人かいた。いっておくけど元ツッパリのヤンキー兄ちゃんではない。『知性派(そして文学通)』な人たちである。『どうしようもない男じゃない』『だからいいんだよ。ここに文学があるとオレは思ったよ』の応酬に、『なるほど私小説とはこういうものか』と、さらにしみじみ感慨にふけった私である。」

 ほんとにその通りで笑ってしまった。男って、ふだん賢そうなことを言ってても、いきなり信じられないことを言い出すことがままあるからなあ。どうも男にはいろいろ「穴」があるらしい。すべての批判機能をスルーしてしまう「穴」が。それがあるから男って生きていけるのかも。

 ベストセラーだった時期とずれていたのかもしれないけど、私的にはヤンソギル(漢字探すのじゃまくさい)と柳美里を入れて欲しかった。

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