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花猫がゆく

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ポルノグラフィティに笑う

◆え、ビジュアル系じゃなかったの?

 言い訳を先にするのも何ですが、私はけっこう音楽通でして、いわゆるJ-POPの嫌らしさには心底うんざりしております。で、普段耳を塞ぐようにして聞かないようにしているのであります。だから今回のことは何も知らない年寄りの戯言と思って聞き流してください・・・。

 このあいだ知り合いのオジサンと久しぶりに(1年ぶりくらいか?)カラオケに行ったのである。そこで彼は「ポルノグラフィティがええんや。歌詞がなあ、テツガク的というのかなあ。歌詞よう見ときや」と言って「アゲハ蝶」を歌い出したのである。私はもちろんポルノグラフィティなんて聞いたこともないし、バンド名からてっきりビジュアル系だと思ってた。内心、「我慢の3分間だな」と思ってオジサンの歌を聞いて(というか、画面を見て)いたわけ。

 だいたい私たちは、ポルノグラフィティを歌うオジサンと松尾和子を歌う若い女(?)という変な2人連れで、オジサンがザードとか歌うとちょっと困っていたりしたので、まあいつものことさと思ってた。だけど聞き出すと(とうか画面の歌詞を見ていると)確かに「うむ?」と思わせるものがあって、どうも聞き流しがたい。どうもひっかかる。それで興味を持って、たまたまラジオで特集してたのを聞いてみた。

 何だろうね、このそこはかとないオッサン臭さと説教臭さは。なのに時々ムズムズっとしてしまうのはなぜ。しかも歌詞がけっこう不可解だったりして、やっぱり聞き捨てがたい。「旅人にどこに行くのかと尋ねた」ちゅうのはお笑いだとしても、「夢で会えるだけでよかったのに/愛されたいと願ってしまった/世界が表情を変えた」なんちゅう言い回しが出てくるのはちょっとびっくりする。それに何だよアゲハ蝶って。何の象徴なの?

 何度か聞いていると、この「ムズムズ」が癖になってしまって、ちょっとハマる。そしてよく聞くと、やっぱり歌詞がすごいもんがある。「あきらめて恋心よ」まではわかる。だけどそのあとに「青い期待は私を切り裂くだけ」とくる。ええっ?という感じ。なんかめちゃめちゃ詩的なのだ。「世の果てに似ている漆黒の羽根」だと?(これだけ聞くとビジュアル系みたいだけど、言葉の使い方が違うんだよ。なんかアホと違う)「喜びとしてのイエロー」だと?「喜びのイエロー」ではなく「喜びとしての」だからなあ。

 その「超」詩的な歌詞を、早口言葉のごとき早さでまくしたてる、この言葉の多さ!詩的な言葉の羅列が機関銃のようにガガガガガッと繰り出され、それに打たれるようにして笑い転げてしまう。これがポルノグラフィティの魅力なのか。松尾和子の10倍は早口なんとちゃうか。

 「ポルノグラフィティなんかに感心してちゃいか〜ん」と人は言うけど、私はすっかり癖になってしまった。ラジオではいろいろかかってたけど、全曲このクオリティではむろんなく、やっぱシングルになったようなのが渾身の作のようだな。

 私、けっこうこれはオジサン達(そしてオジサン感性を持った若者達)にも受けると思うんだ。女言葉で「私は生きたわ恋心とぉ〜」なんていうところはけっこう演歌テイストだし、オッサンは説教臭いの好きだしね。カラオケの隣の部屋でも、「アゲハ蝶」を男の子だけで大合唱の大絶唱してたよ。ものすごくヘタだったけど。けっこうサエない男の子達(だって男だけでカラオケ来てんだよ)のテーマソングになってたりして。「世の果てに似ている漆黒の羽根」が。こわいね。

 しかしオジサンが歌うにはこれはちょっと息継ぎに困ると思う。同行のオジサンも、曲が終わったらすっかり息が上がってたからね。もうちょっとゆっくり歌ってやらなくちゃ。私はどんどん飛ばしてほしいけどさ。面白いから。

 「サウダージ」というタイトルにも驚く。こんな言葉知ってる若いやつ、おらんやろう。強引だなあ。「思いを紡いだ言葉まで/影を背負わすのならば/海の底でもの言わぬ貝になりたい」ひえー、私は貝になりたい、だよ。私はひとりで衝撃を受けているけど、これは世間ではいったいどう捉えられているのか。友達数人に尋ねてみると、「シャ乱Qみたいなもんやろ」とのこと。もしかして日本ってすごいのか?

 いったいこんな詞を書くのは誰?と思い、早速書店で雑誌をチェックする。作詞をしている新藤晴一という人のインタビューが見つかった。作詞とボーカルが別人というのにもちょっと驚くが、同時になるほどとも思う。「自分たちはロックスターではなく、基本的にバンド小僧なんですよ。女の子向けの雑誌にも出るしテレビにも出るけど、バンド小僧の基本へいつも戻りたい」というようなことを言っている。そして小僧の神様は、スラッシュ、クラプトン、スティービー・サラス(レスポールが好きなんだって)、中学のときがバンドブームで、初めてファンになったのはバービーボーイズとな。ふむふむ。ギター雑誌だったので詞についての記述はほとんどない。ただ、「今、自分をより表現できているのは詞のほうだと思っているから、ギターも詞と同じくらい表現できるようになれたらいい」とある。ギタリストなのに、詞のほうが表現できていると自覚してるんだ、やっぱり。

 アマチュア時代は大阪で活動してたということで、大阪城公園でもやっていたらしい(その辺はシャ乱Qと同じだね)。やっぱ、ビジュアル系だったんじゃないの?

 ひとつ思ったことがあるんだ。「ねえ、そうだろう?」というのは、気色悪いけどなかなかいいぞ。それを3番目で「なあ、そうだろう?」に変えるのはオッサン臭すぎる。「ねえ」で通してほしかった。本人も「女々しいかなあ」とかいろいろ考えたんだろうなあ。

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