花猫がゆく

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王朝ドラマ

 毎晩9時ごろから、かなり人気があったというドラマの再放送をやっていた。李王朝を舞台にした王朝ドラマだった。

 喋ってることは全くわからないのだが、それでも何やら面白い。衣装は絢爛豪華だし、本物の景福宮でロケをしているということで、やけにスケールがでかい。内容は大帝とその妻たちの人間ドラマである(一人の夫と複数の妻の話は韓国ではよくあるパターン。「韓国よもやま話〜韓国映画」参照)。

 大おば様に大まかなストーリーを聞いたが、これが怒涛のような展開で、N○K大河ドラマよりずっと面白い(大河ドラマなんて見ないけどね)。
 ストーリーはこんな感じだ。

 王様は10歳ぐらいの頃、同年代の妻を迎える(この結婚式のシーンが豪華でよかった。子供の二人が景福宮と思われる広大な広場で、大群衆を前に結婚式をする)。
 妻はたいへん気立てのいい人で、ふたりは仲良く幸せに暮らす。だが長じても妻には子供ができない。それで王様は2号を迎える。

 この2号はたいへん悪いやつで、王様に1号のことをあれこれ悪く言って、それを間に受けた王様はとうとう1号を追い出してしまう。それでも善良な1号は何の弁明もせず、黙って王宮を去っていく。

 ある日王様は散歩中に、使用人の女が何やら祈っているのを見かけた。王様が女に何を祈っているのかと聞くと、女はかわいそうな1号のために祈っているのだと言う。てっきり自分自身の欲のために祈っていると思っていた王様は、女の清い心に打たれ、女は王様の「お手つき」となる。

 ところがこの日の出来事で、女に子供ができた。しかも男の子。というわけで、使用人の女は3号になる。
 ところがこの3号、ほどなくして病気で死んでしまう。子供は、今は晴れて1号となった、かつての2号が母として育てることになる。

 子供が3歳くらいになったころか、側近の腐心により、王様の1号に対する誤解は解け、もと2号の策略を知ることになる。
 白いチマチョゴリを着て隠遁生活をしていたもと1号のもとに知らせが来て、彼女は再び王宮に1号として戻ることになる。王様との感動の再開シーン。ふたりは再び豪華な結婚式を挙げる。よみがえる子供の頃の結婚式の思い出。ふたりは絆を強くする。

 一方、2号のほうは半狂乱である。策を弄したということで今度は2号が王宮を追い出される。
 子供は今度は1号が育てることになる。が、子供は今まで母として側にいたもと2号を恋しがって泣く。

 私が見たのはこのあたりまでである。もちろん私にこれだけのストーリーがわかる語学力があるわけはなく、大おば様が解説してくれたのだが。
 「先が知りたい!」と言うと、1回目放送時にすでに全部見ていた大おば様は、つたない日本語で少しだけ教えてくれた。

 怒りに燃えるもと2号は、「子供に会いたくてたまらない。せめて母として一度でいいから会わせてくれ」と王様に泣いて懇願する。
 ほだされた王様は、一度だけ子供に会いに来てもいいと約束する。にやりとほくそ笑む2号。
 子供と再会した2号は、なんと子供の首を締めて殺してしまう(毒を盛って殺してしまう、だったかも。いや、もっとえぐい殺し方だった気がする)。

 結局このお話の結末はわからずじまいである。例によって何のオチもなく終わったのかもしれないが(よもやま話参照。もういいってか)。
 誰か知っている人がいたら、教えてください。

 このドラマには、韓国のお話にありがちな陳腐な要素がつまっている。愚鈍なまでに善良な主人公。悪役らしい悪役(多くの場合、これは姑の役割なのだが)。苛め抜かれる女。子供ができない女。ぼーっとして何もしない、おぼっちゃんみたいな夫。そのまわりで鞘当てをする妻たち。

 でもここまで様式美を極めると、とても面白いのだ。
 悪事をたくらんでふっふっふっと口を歪めて笑う2号なんてすごく魅力的だ(すごい美人女優が熱演している)。
 N○K大河ドラマもこれを見習って頑張ってほしいものだ。変なアイドルみたいなのを出したりして若者に迎合しようなどとはせずに。

 ドラマの中で、1号も2号もみんな家臣たちに「マーマー」と呼ばれていた。マーマーって何?大おば様に聞くと、「えらい人はみんなマーマー」とのことだったが。英語のHer Majestyみたいなもんか?

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