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花猫がゆく

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山頂の古仏

カッ・パーウィ

 日本では奈良や鎌倉の大仏に向かってお祈りする人は、まああんまりいないと思う。祈る人もいるかもしれないが、観光名所としての面の方が大きいと思う。韓国でも慶州の石窟庵などはそんな感じだったが、テグ郊外にある史跡の石仏は、どうも違うみたいだった。

 オンニに連れて行ってもらった「カッ・パーウィ」は山の上にある石仏で、高麗以前のものだろう、顔の表情などはよくわからないほど風化している。なぜ「カッ・パーウィ」かというと(私は「え、カッパ?」と聞き返してしまったが)韓国で頭の上に載せる傘のような帽子のことを「カッ」と言うらしく、この石仏はその「カッ」を頭頂に載せて座っているのである。まあ実際カッパとあまり変わらない。

 この石仏の前には半畳ほどのマットが敷き詰めてあり、その上ではたくさんの人が五体倒置よろしく頭をすりつけるようにして祈っていた。これは山頂にある野外の石仏である。後ろの方では私たちのような仏教とは関係のない連中が、山から見下ろす絶景を楽しんでる観光地でもあるらしい。

 ここに到着するまでは、けっこうな山道を登らなければいけなかった。私は聞いたことのない「カッ・パーウィ」だが、オンニが言うには有名なものらしい。実際、多くの人が急な山道を登っていたし、山頂には人がたくさんいた。祈っている人もたくさんいた。

 山を登る人の中には、年老いた母と息子の取り合わせというのもちらほらいて、これが何というか、パターンがあるのだった。母の手を取り、もう一つの手で母の背中を支えながらゆっくりと歩いてやる息子の姿。いわゆる韓国の親孝行の図、という感じで、日本ではあまり見られないもののひとつだった。日本人なら照れくさくてできないよね。でも韓国ではこのような親孝行は当たり前かつ誇るべきもののようだ。親も「うちの息子がこんなことしてくれた」とよく自慢する。これは在日でもそう。

 もともと韓国は日本人よりずっとスキンシップの多い国民である。街でも若い女性同士が手をつないだり腕を組んだりして歩いている。おっさん同士でも手をつないで歩いていたりする。ホモに対しては日本とは比較にならないくらい厳しい国らしいので、表だってべたべたするってことは、多分ホモの人ではないと思う。

 後日、また別の大仏を見た。八公山というところにある桐華寺に行ったついでに見たもので、こちらは真新しくて真っ白な大仏だった。いかにも日本の新興宗教が作りそうな怪しさがある。何でもこれはノ・テウが大統領だったときに作ったものだそうだ。ノ・テウはこのへん(慶州北道)の出身だったらしい。大仏のある広場もピカピカだが、訪れる人はあまりいないようだった(というか、その時は私たちしかいなかった)。

 やっぱり、山頂の古仏のほうがありがたいもんね。

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