花猫がゆく

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ペ・ヨンジュンはいい人か

(2005.8.4のブログより転載)

 韓国映画も韓国ドラマも特には見ない。韓国映画はあんまり面白いと思ったことがないし(最近のは面白いものもあるのかもしれないが、知らない)韓国ドラマはその余りにもドラマチックな展開が面白いけれど、日本で受けるような作品は私の好みじゃない。韓国ドラマに限らず恋愛ものはもともと嫌いなので、冬ソナなんてとんでもない。

 ペ・ヨンジュンも冬ソナブームも、今まで見ててイライラしてたけど(同じように感じる日本人は多いに違いない。だから「嫌韓流」なんてマンガ本が売れるんでしょう)今回ペ・ヨンジュンの来日映像を見てあれっと思った。

 感じいいじゃん。

 今までヨン様を見ていいと思ったことがない私だが、よく見るとなんか感じがいい。そして何かコメントしてもその感じのよさを決して裏切らない言動。要するに「いい人」そうなんである。で実際にいい人だってことになってる。やたら募金とか義援金に寄付をしているらしく、今年の24時間テレビの募金にも数千万円を寄付したらしい。

 ちょっと考えてもみてください。今の日本において「いい人」であることが評価されることがありますか。男性においては「いい人ね」と言われることは「性的魅力がない」って意味だろうし、女性においてはさらにひどく、利用されたり屈辱的な思いをすることもしばしばでしょう(美人でもない限り)。「いい人」という言葉には「損ばかりしている要領の悪い人」という響きがありませんか?

 ペ・ヨンジュンが本当にいい人なのかどうかは知らんが、大事なことは「いい人」をすることに何のてらいも持たなくていいという事実である。日本では無理だ。日本では「いい人」は損、照れる、恥ずかしい、馬鹿にされる、というイメージができあがってしまっている。そして実際に、要領が良いいほうがいいに決まってる、何をしても勝った方が勝ち、という現世主義に骨の髄まで侵されつつある。それは日々ひどくなってる気がする(昔はそんなことなかったと思うもんね)。そして実際に、そういう生活態度の人が「勝って」いる事実がある。そんなの見せつけられるから善良な人も「ああならなければいかんのだ」と強迫観念に侵される。または「こんな社会、降りてやる」と思う。

 なるほどねえ。ペ・ヨンジュンが年配の女性に人気があるのがちょっと理解できた気がするよ。きっと単に「昔の少女マンガ」風だからだけじゃないんだね。ペ・ヨンジュンはたぶん韓国では日本ほどの人気のある大スターじゃないと思う。映画やドラマを見てもさして魅力的だとも思えない(私は)。たぶん日本(のおば様)に受けるのは、日本の男が、ひいては日本人が失ったものがそこに象徴されているからなのだ!っていうのは大げさかな。

 「いい人」であるってことに(「いい人」らしくある、でもいいが)見返りがある、評価されるというのは、本当は当たり前のことなのだ。「いい人」を「誠実」に置き換えてもいい。どっちも日本では存在意義が薄れているものだ。だからヨン様は何億儲けてもいい。小泉や石原のような人を「あの人は役者が上だ」などと持ち上げるような風潮は何かが歪んでいるとしか思えない(そもそも役者とは嘘をついて儲ける職業だ。政治家を評する言葉として適切じゃない。逆に政治家を「誠実だ」という言葉で誉めるのを、私は聞いたことがない。これっておかしくない?)。

 というわけで、この際韓流ブームにイライラせずに(私はついイライラしてしまうのだが)日本人が置き去りにしてきたものについて考えをめぐらしてみてはどうでしょう。

 しかしヨン様、宗教でもあるのかなあ。

 蛇足ではあるが、この韓流ブームで韓国男の人気が上がり、韓国男性の彼氏が欲しい〜♪と願う日本女性が増えているらしい。そして実際に韓国男とつき合うのだが、思ってたのはえらい違いで失望する、という事例が多発しているという話。当然だ。韓国男の本懐は「マッチョ」。若くて美人の女が大好き。若くて美人じゃない女は女じゃない。30過ぎた女は全員アジュマ(おばさん)。北朝鮮の美女軍団が韓国で大人気になり南北交流に貢献してるって話もさもありなん。古いものですが、韓国の男についてここに書いてます。ご参考までに。「それは昔の話だ。今は違う」とおっしゃる方がいたらご一報を(私もそれが望ましいと思っています)。

(2005年9月追記)
 例えばこんなところに「おおっ」となるわけです。今日の「徹子の部屋」メイキング(?)での発言ですが。収録後の軽い立食パーティ(誕生日だったんだって。ヨン様乙女座だね!)において、カメラマンを見て「彼はなぜ食べないのですか」「それは君を撮ってるからだよ」そこでヨン様はにっこり微笑んでカメラマンを食事のテーブルに誘うわけです。なかなかできんよキミ。あとこんな発言も。黒柳徹子に対して「トットちゃんを読みました。とても素敵な子だと思いました。私はトットちゃんのような子供が欲しいです。そして抱き締めてあげたいです…」。すごい。私はちょっと感動したよ、マジで。

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